本文にも書いたように、操縦者の感覚による「アンダーステア」「オーバーステア」という言い方は、本来の言葉の意味ではありません。
R/Cカーに限らずあらゆるクルマの操縦特性に使われるこの語の本来の意味は、次のようなものです。

右図をご覧ください。
あるクルマが、ある一定の速度・ある一定のステアリング舵角で黒い線のような円周上をグルグルと回り続けるとします。(これを「定常円旋回」と言います)
この状態で、前輪の舵角を保ったまま加速(スロットルを上げる)したとき、図の赤線のように元の円の内側に切れ込んでくる特性を
オーバーステアと呼び、逆に青線のように元の円の外側へはらんでいく特性を
アンダーステアと呼びます。また、スロットルを上げてもそれまで通り黒線の円を描き続ける場合は、ニュートラルステアと呼びます。
しかし現実問題として路面状況に左右されずに定常円旋回をさせられるような環境はほとんどなく、このような実験をするのは難しいので、便宜的に操縦者の感覚よりも曲がらないクルマを「アンダーステア」、思ったよりも曲がってしまうクルマを「オーバーステア」と呼んでいるわけです。