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このページについて

このページは筆者の趣味の一つであるモータースポーツについて、観戦レポートや感じたことなどを書きつづっていくページです。
書いてあることは筆者個人の感想なのであらかじめご了承下さい。

筆者自身が自家用車でサーキット走行したことについては、クルマが好きッのページにありますのでそちらをご覧下さい。



'03 Fomula Nippon Rd.10 SUZUKA (Qualify)
正直言ってここ2年ほどフォーミュラ・ニッポン(以下Fポン)をサーキットで見ようとは思いませんでした。
フォーミュラのレースはバトルより展開で見るカンジになっちゃって、展開を見るならTV観戦の方がわかりやすい。
サーキットでピットウォークとか行ってもチームクルーは黙々と仕事してるだけだし、ドライバーは出て来やしないし、クルマはどれも一緒だから面白くない。
暑かったり寒かったり雨降ったりを心配するくらいなら、家で実況中継見ている方が楽。
つまるところ、別にFポンは嫌いではなくてむしろ好きだったりするんですが、サーキットで観戦するよりTV観戦の方が面白いってのがその理由だったんですが……
今回は違いました。
直前になって飛び込んできた『久しぶりに予選でスペシャルステージ(以下SS)が行われる』という情報に、喜び勇んで観戦してきました。それも予選だけ。
いや、単に日曜日は別のサーキットで自分で走る走行会にすでに申し込んじゃっていたってだけのことなんで、それがなければレースまでサーキットで見ましたけどね。

さて筆者をそこまでさせるSSとは何か?
SSは98年までの3年間Fポンで普通に行われていた予選方式だったのですが、どういうわけか99年から廃止されてしまい、筆者としては残念に思っていました。
99年以降、Fポンの予選は午前と午後の2回行われていました。SSとは、午前の予選はそのままに、午後はその午前の予選で1位から6位のタイムを出した選手が一台ずつコースインして単独でのタイムアタックを行い、7位以下は午前の予選タイムで確定。6位以上は単独アタックのタイム順で決勝グリッドを決めるという方式です。
これの何が面白いかというと、SSがあることで午前の予選が抜群に面白くなるのです。
午前中の予選でトップタイムを出してもあまり意味はないんですね。それよりは「6位以内」にいることが大事。早めのアタックで1位2位のタイムを出した選手は余裕でピットで待ちの戦略をとることができますが、6位7位の選手は必死のタイムアタックを強いられます。しかもFポンでは土日に使えるタイヤ本数の規制がありますから午前中の予選でタイヤを使い切ってしまうとSSに出てもいいタイムをマークできない。
この辺の作戦のバランスが非常に難しくて、サーキットでリアルタイムで見ているとドキドキします。この緊迫感はなかなかTVでは伝わらないですね。

そんなわけで久しぶりに鈴鹿へ行ったんですが、まあ予選結果やレース結果は公式サイトででもチェックしていただくとして、ここでは現場の雰囲気をお伝えすることにします。
最近の観客数の激減でさすがに考えたのか、それとも既にドライバーチャンピオンが決まっているからなのか、いろいろと「サーキットでレース観戦」を楽しめる趣向がありました。
まずはピットウォークから、右画像はOIZUMI-NOVAのピット。
スポンサーのEBBRO(国産のミニカーメーカー・エブロと読む)が子供と女性客に限り、ミニカーを配っていました。(黄色い袋)もちろん無料。
カネの話ついでですが、ちなみにこの予選日は遊園地の入場券(当日1600円・筆者もこれで入った)でレース観戦できます。グランドスタンドも無料なので快適。ピットウォークは1600円だったかな。
エブロのミニカーって3500円くらいするのでこれ一個貰えば入場料のモトは取れます(笑)。下世話な話だけど。
ピットウォークはお昼に行われました。
午前の予選が終わって午後のSSはこれから、というタイミング。
ですがドライバーもほとんどが出てきてサインに応じていました。
画像左はすでに今年のチャンピオンを決めている本山選手。右は午前中の予選で暫定ポールを決めて上機嫌の服部選手。
服部選手はサインをしたあと隣でデモ走行していた『携帯で遊べるR/C』のFポンモデルで遊んでいるところですね。

もちろんピットウォークの最中もピットの中では作業が行われています。
画像左側はSSに出走する金石年弘選手のピット。作業しているのは微調整程度のはずですが、緊張感があります。
右側は午前中の予選の最後にクラッシュしてしまったリチャード・ライアン選手のマシンで、破損したフロントサスペンションを取り外すという大手術ですが、次の走行は翌日なのでわりとゆったりしているように見えました。

SSではすばらしいタイムを出して余裕の表情を浮かべた脇坂選手がピットウォールで本山・服部両選手のアタックを見守るところがサーキットヴィジョンに大写しに。
本山選手が自分のタイムを上回った瞬間の驚きと残念さが入り交じった表情がスタンドで大ウケ。
SS終了後の表彰式では順位に応じて賞金のボードが手渡されました。SSが行われること自体が直前に決まったことなので、この賞金はドライバーにとっては思わぬボーナス。
表彰式も和気藹々とした雰囲気で「チームのみんなとパーッと使います」というコメントが多かったのもうなずけます。

自身が本当に久しぶりにサーキットに観戦に行った筆者が言うことではないかもしれませんが、ドライバーが楽しんでいる姿を見るとその場にいる観客もうれしいものです。
観客数減少に悩んでいるというFポン主催者のJRPの皆さん、来年は全戦でSSの復活をお願いします。



久々に選手権のかからない単独イベントとなった鈴鹿真夏の祭典Part2(Part1は8耐ね)『鈴鹿1000km』です。
とにかく暑い鈴鹿サーキットで、チームクルーも観客も熱いレースが繰り広げられました。

単独イベントとなったことで、いったいどんなクルマが走っているのか知られていないようですが、とんでもなく多彩なマシンが参戦してたんですよ。
全日本GT選手権からはNSXとスープラ、マクラーレンF1・ポルシェ911・フェラーリF355・シルビア・AE86・RX7-FC・セリカ……
国際GTからダッジバイパー・ポルシェ911/996
これにスーパー耐久車両(ニスモはこの鈴鹿1000kmのためにスーパー耐久用R34GT-Rを新造してくるという力の入れよう)とN-GTのNSXが加わり、マシンバラエティの多彩さとその速度差は他に類を見ないレースです。なにしろあの長い鈴鹿で、5周で周回遅れが出るくらいスピードが違う。
全日本GT選手権とはリストラクターや重量ハンデが違うこのレースでは、速さではNSXとマクラーレンがズバ抜けて速い。これにスープラとバイパーが続き、信頼性に賭ける世界GTのポルシェ勢と全日本GT300クラス勢が追う、といったレース展開。
とにかくひっきりなしにマシンが目の前を走るので、退屈しない。そのかわりあっと言う間に周回遅れが出て順位が入り乱れるため、わかりにくいことこの上ない。
チームKAGEISENは科学芸術専門学校の生徒達が中心となるチーム。なんとここは練習走行日にマシンのエンジンルームが全焼。予選を全く走れず、本戦当日朝の練習走行で急ごしらえのボンネットが壊れ……と、いきなりの波瀾万丈ぶり。画像は練習走行後、ボンネット修復のためにマシンをピット内に押す生徒達。右下の短パン姿はアドバイザー&ドライバーとして参加した大ベテラン津々見友彦さん。学生達の熱意に思わずからだが動き出したようです。
レース中もクールスーツは壊れるわエンジンの調子は悪いわで、ピットインを繰り返してました。
これに対してプロフェッショナルチームの代表格とも言えるNISMO。
前述したように、「データ取りのため」と称して新造したスーパー耐久用R34GT-R。これが異常に速い。なんとGT300クラスとタメを張れるスピード。もちろん、スーパー耐久クラスではダントツを走っていたが、早い段階でトラブルが発生、長時間のピットインで交代を余儀なくされて……とこちらも波瀾万丈。
個人的に応援していたドイツ勢・フライジンガーモータースポーツの新型911GT3です。
この日は、パドックパス所持者に限り3000円というリーズナブルプライスでダミーグリッド(フォーメイションラップ出走直前のグリッド)に入れるという『グリッドパス』が売られており、そこで撮影した写真です。
予選に出走できなかったこのクルマは最後尾グリッドからの出走で、レース序盤にトラブル。新型ゆえパーツがなかったのか、そのままリタイアしてしまいました。
スピードは結構早かったんですけどねぇ。
ドライバーとしてはこれが最後の1000km出走となった国さん。スタートドライバーは飯田章選手なので、リラックスしています。

う〜ん。なんか今回は人物の写真が多いぞ(笑)
それも渋い系、おまけもね。
こんな風に、色んな目的のある色んなチームが色んなクルマで走ってるのが、鈴鹿1000kmの良い所なんですよね。昨年までの世界選手権のレースもいいけれど(ハイテクの塊が見れるし)こういう草レースっぽいのも大好きです。
おまけ

レース前のピット裏チーム国光のテントで、由良さんの「誕生日パーティ」が。お約束のケーキ攻撃を受けていました。
とどめを刺したのは由良さんの後ろに写っている飯田章選手。いや、しかし、チョコケーキで頭直撃はあんまりでしょう……。由良さん笑っててよかったよ。



今年も行って来ましたNASCAR THUNDER SPECIAL SUZUKA。
なんと今年は予選日が雨。せっかくのレース観戦が雨ではがっかりしてしまうところですが「なんでも楽しむ」がNASCARの流儀です。ここは「NASCAR史上初の雨の中の走行」を楽しんでしまいましょう。
というわけで、世にも珍しい水煙を上げて走るNASCARマシンです。このデュポンカラーの24番は普段は今年のチャンピオン、ジェフ・ゴードンのマシンですが、直前に手術のために来日をキャンセルした彼に代わってリッキー・クレイブンがドライブしています。
こちらは普段はNASCAR CRAFTSMANというトラックで走るレースに参加しているドライバー、リック・キャレリのマシン。
スズカはシリーズ戦ではないので、こういう普段は他のカテゴリーで走っているドライバーが最高峰のWINSTON CUPのレーサー達に挑戦できる場でもあります。
彼はCRAFTSMANの方ではゼッケン6を使っていますので、マシン以外のピット用品等のゼッケンはみんな「6」番のままでした。
これがNASCAR史上初の走行を支えたGOODYEARのレインタイヤ。もちろん今回のためにつくられたスペシャルタイヤです。
溝は非常に浅い。レーシングレインタイヤとしても、これは「浅ミゾ」と呼ばれる部類に入るタイヤです。
路面状況はヘヴィーウェットでしたが、レインタイヤは1種類しか用意されてなかったので、みんなこれを使って走ってました。
トレッドパターンは市販のGOODYEAR EAGLE F1というタイヤそのまま。溝の深さがほぼ半分と思っていただければ、だいたい外観はあってます。
そしてこの左にあるのが鈴鹿スペシャルパーツの一つ。「ワイパー」の駆動部です。
ワイパーはチームごとにいろいろ工夫してつけてましたが、ここはフロントウィンドウに駆動部ごと取り付けてしまってます。
上にのびているコードは電源用。それ以外はスイッチも含めて全部これだけのパーツに入っています。
ただ、チームの方もまさか使うとは思っていなかったみたいで、あんまり役には立っていませんでした。
NASCARらしからぬメカを発見!
リアスポイラーの角度を調整できるターンバックルです。
この黒いパーツの長さを調整して、スポイラーの立ち具合を細かく調整しています。
ただスポイラーの方にはヒンジがついていないただの鉄板なので、力ずくでヒン曲げて角度調整……というあたりがやっぱりNASCAR流ですけどね。
車検前の最終チェックをするピットの風景。国内レースのFニッポンやGTと較べてもすごくのどかです。
まあ、車の構造が単純なのでチェックポイントが少ないというのもあるんですけどね。
ピット裏で発見したパーツ棚。これだけでボディとエンジン以外の重要パーツがほとんど収まってます。
一番上に見える長いノズルのついた赤いタンク風のものが、燃料補給に使うフューエルタンクです。あんなもんに燃料いっぱい入れて、一人で担ぎ上げるんです。
その下の、水色の線状に見えているのは、予備のフロントガラス。NASCARのフロントガラスは接着剤で張り付けてあるだけで、一日走ったら交換してしまう消耗品です。
一段とばして、下から2段目。手前にある黒い長い棒が、リアサスアーム。電車のレールみたいな形の鉄の棒です。
一番下の段にはリアドライブトレイン一式と、フロントブレーキ周り一式がゴロンと転がっています。
都築と何かと縁のある脇田選手は今回いつもの井村屋さんと、タミヤのスポンサードも受けていました。マシンには人気のミニ4駆「GUN BLUSTER XTO」の文字、そしてレーシングスーツの背中には「GUN BLUSTER XTO OFFICIAL DRIVER」と書かれていたのです。
応援に駆けつけたミニ4ファイターとメカニックマンとともに、子供達にサイン攻めにされていました。
NASCARマシンは外観が市販車と同じシルエットでなければいけません。その車検のために、マシンの直接ゲージを当てているところ。
このゲージは参加車両にあわせて3種類用意されています。(FORDとCHEVYとPONTIACね)
NASCARの車検の名物の一つです。
ドライバー達と一緒にやってきたサポートトラックのクルー達と記念撮影。
国内レースでは考えられない、とにかく陽気なピットウォークです。チームクルーでもオフィシャルでも、気軽に一緒に写真を撮ってくれます。都築は特にこのトラッククルー達のいかにも「アメリカン」なところが大好きです。
今年も都築はここからの観戦。土曜日は雨、日曜は強風で激寒という環境下で、いちばんラクに観戦できる場所です。なんといってもピット作業が目の前で見れるし、クルー達に上から声をかけられる。

レース始まっていきなりのクラッシュ。でもピット作業の後走り始めた28番ケニー・アーウィンのマシン。
こんな状態で他の車と遜色なく走ってました。しかもちゃんと完走するし……。
もちろんピット作業で周回遅れになっちゃうんですが、ピットアウトの時はみんなで「Go!」と大声を張り上げて応援するのです。
日本でも一番人気のデイル・アーンハートもレース序盤でクラッシュ。
ピット作業の後、やっぱりこのまま走り始めました。この時は「レースが終わる頃にはみんなボディなくなってるんじゃないの?」とか思ってしまった。
アーンハートは、この時のクラッシュでトラブルを抱えていたみたいで後にリタイアしちゃうんですが、それまでに(周回遅れなのに)マーク・マーティンとのバトルを見せてくれたり、ファンサービスのために走ってくれたみたいです。
ヨーロッパのレースだとひんしゅくものの行為なんだけどね、アメリカのレースではこれが当たり前。
とにかくNASCARはバトルの連続です。こんなシーンが毎周、サーキットの至る所で展開されるのです。これぞレーシング!
一番左の緑色のマシンが今回の土屋圭市車

そしてゴールの瞬間です。
97年のルーキー・オブ・ザ・イヤー、開幕戦ポールポジションを獲得したマイク・スキナーの初優勝のシーン。
ロードコース(オーバルコースに対して、通常のサーキットをこう呼ぶ)スペシャリストのマーク・マーティンを押さえきっての堂々の優勝。都築のすぐ下からピットクルー達が嬉しそうに飛び出していきました。
やっぱりNASCARはすごいです。
あの音。デカい車。ぶつけるけど押し出さないバトル。ドライバーからピットクルーに至るまでみんなが「ファンのための」レースをしている。
それらすべてが日本にもヨーロッパにもない「ショーとしての」レースを見せてくれる。
ヨーロッパ型のレースでは、ともすると「サーキットに行くよりもTVで見た方が全体を把握できてわかりやすい」とか思ってしまうんですが、NASCARはサーキットで見ないと絶対ダメ。
ストラテジーのレースじゃないから。目の前のバトルの迫力を楽しむレースだから。
TVではあの迫力は全然伝わってこない。
「やっぱり、レースの価値観を変えてしまうレースだなぁ……」
というのが、今回の正直な感想でした。


『生命を守る』ということ
ちょっとした縁で、L.S.F.A.-Driver's という講習を受けてきました。
Life Supporting First Aid for Drivers and Riders というのが正式名称で、つまりこれは交通事故等で目の前にけが人が倒れている時に、どうすればその人の命を救うことができるか、という講習会です。
主催しているのは LSO (Motorsport Life Saving Organization)という、GT選手権でFROというファーストレスキューのマーシャルカー(右画像)を運用している団体です。まあそんなわけで『クルマが好きッ!』ではなくてこちらのページに載せたわけですが。

実は筆者がこの講習を受けるのははじめてではありません。
鈴鹿サーキットで行われたラリーフェスタの会場内でやっていた体験講習会を受けていたのです。
その時に仕事がらみで参考になりそうだと思ったので、今回はマンガ家のあさりよしとおさんと一緒に受けることになりました。
あさりさんは免許証は持っていないということですが、自転車マニアで『交通事故は人ごとではない』という感覚が人一倍強い方。
筆者はクルマも自転車も乗るし、レースを支えるサポートチームに異常な興味を持っている人間です。

講習は事故が起こって目の前に人が倒れている時にまず何をしなきゃいけないか(自分が落ち着くための深呼吸です)。や、自分の身を守ることをまず第一に、次にけが人を安心させることが大事。ということなど心構えからはじまり、けが人の状態を確認すること、呼吸や心拍に異常がなくて意識がない場合は……と、順を追って実技を交えつつ進みます。非常にわかりやすい。
そしてその実技がCPR(心肺蘇生法)になった時、出てきたのが右画像の人形、通称『アンちゃん』です。(専用のバッグに『Little Anne』の文字があったのでこれが正式名称らしい)事故で亡くなったスウェーデンの少女をモデルにしたというこの人形、マウスツーマウスの人工呼吸や心臓マッサージの実技に使います。
アンちゃんの頭の上にある機械は、04年7月から法的に一般人にも使用が許可された自動体外式除細動器(の練習用シミュレータ)です。
除細動器というと、医療ドラマなどでよく見る両手に持ったパッドを患者の胸に押し当ててドカン! みたいな大変な機械だという印象がありますが、このAEDという機械は低周波治療器のようなパッドを右肩と左の腰に貼り付けて電源を入れると機械が懇切丁寧に指示を与えてくれるので、電源の入れ方さえ知っていれば誰にでも使えます。人工呼吸と心臓マッサージができればもういうことありません。(駅や空港・ホールなど人の集まる場所、役所などにこの機械が置かれることになるそうです)

どうしてこんなことを長々と書いているかといいますと。
我々が楽しんでいるレースというスポーツは、常に危険と隣り合わせだということをもっと意識してほしいんです。
筆者自身、これまでに何人もの好きだったドライバーが事故死しています。
レースでなくとも事故は起こりうる。否、むしろサーキットよりも一般公道の方が事故の確率は高いくらいです。
モータースポーツのファンとして、そんな万一の事故に備えるべきじゃないか、と思うのです。
役に立たない方がいいスキルではあるけれど、知っていて損はありません。
こうした講習は『学校の避難訓練と一緒で、いざというときに役に立たないだろう』という考えも、はっきり否定しておきます。学校の避難訓練もそうですが、実際にやったことがあるのとないのとでは雲泥の差です。
是非、機会があれば……いや、機会を作ってでもこうした講習を受けて下さい。一人一人のモータースポーツファンができる社会貢献の一つです。

LSOについて詳しくはLSOオフィシャルサイトをご覧下さい。講習会の日程もこちらで調べることができます。そうです。実はこの講習は誰でも受けることができるのです。クルマ・バイクに限らず、自転車に乗る人も一度は受けておくべき講習だと思います。



テレビ観戦で思うこと

SKY PerfecTVに加入したおかげでここ数年はたくさんのレースをテレビで観戦することができるようになりました。F1中継も地上波のと違ってよけいなタレントが出てないからじっくり見られるし。今やモータースポーツファンには必須といえますね。スカパー!は。

そのおかげで03年7月4日から6日までの週末は、『レーシング』というものについて深く考えさせられました。
まず7月4日、ポール・リカールで行われていたフランスGP予選1日目。
翌日の予選二日目に走る順序を決めるこの予選1日目は、朝からの雨が止んだ直後という難しい状況で開始されました。走行はその時点でのドライバーズチャンピオンシップ上位の選手から一台ずつ。
つまり、上位の選手はまだ濡れている路面を走り、下位に行くに従ってどんどん乾いてくる……という状態です。
ここでトップタイムをマークしたのは最後に走行したミナルディに乗る某選手でした。路面状況だけで決まった『暫定ポール』。
これが現代F1サーキットとしては「そこそこ抜ける」ポール・リカールだったから、そして金曜日だったからよかったものの、もしモナコもしくはハンガロリンクだったら、そして金曜ではなく土曜日で徐々に雨が強くなっていくような天候だったらどうなっていたか……
「まったく抜けない」サーキットで下位チームのマシンがグリッド上位を占拠してしまったら、そのレースはどうなるのでしょうか?
身の毛もよだつ大クラッシュ大会か、それとも一列縦隊のF1の行列を2時間近くも見させられるのでしょうか。その可能性があるだけで、今年から導入された「1台ずつのタイムアタック」予選方式はダメだと思うのです。

その二日後。こちらは鈴鹿サーキット、フォーミュラニッポン。
2ヒート制を採用してピットインがなくなったこのレースは、まさに理想的な『レーシング』になりました。
改修された130Rからシケイン進入、ヘアピン進入、スプーン進入、そしてもちろん1コーナー。ありとあらゆる場所でオーバーテイクが見られ、トップ争いは常にドッグファイト。
これこそがレース!

はっきりいって近年のF1は面白くない。それは、給油を含めたストラテジーでしか順位が決まらず、コース上でのドッグファイトやオーバーテイクが極端に少ないから。そんなことは、ずっと以前から多くの人が言っています。
それでも一人のドライバーがぶっちぎりでシーズン半ばでチャンピオンを決めてしまうことのないよう、よりストラテジーが混乱しやすいようにF1の今年の予選形式が採用されたのでしょう。
しかし本当はもっと単純に、コース上でのドライバーの速さ・強さが見えるようなレースの方が、結局は面白い。
そんな当たり前のことを再確認した週末でした。


レースに参戦する態度
2000年、ル・マン24時間は戦前の予想通りアウディ勢の圧勝……それも表彰台独占という完全勝利で終わった。
これは見た目は他メーカーの有力ワークスが参戦しない中でアウディだけが最初から有利なレースを勧めたように見えるが、実はそれだけではない。今年もしもトヨタやニッサンが参加していたとしても、勝てたかどうかはわからない。と、筆者は考える。
今年のアウディというチーム、表に見えるのは大メーカーの名前だが、レースをコントロールしていたのはヨーストというチームである。
このチーム、10年前に設計されたTWRジャガーXJR14の屋根を取り去ったオープンスポーツカーにポルシェのエンジンを積み、ワークスを相手に’96年’97年と2年連続でル・マンを征したプライベートチームなのである。
言ってみればル・マンの勝ち方を知り尽くしている。そういうチームだからこそ、『大本命』のプレッシャーを跳ね返して表彰台独占という結果を出せたと考えている。
アメリカのCARTを見てみよう。
いまでこそトップエンジンとして君臨しているホンダだが、参戦初年度はメインイベントのインディ500で予選落ち。開発チームのレイホール・ホーガンにも愛想を尽かされるような成績しか残せなかった。
トヨタも(ちょっと低迷期が長かったけど)同じような経歴を積んで、今年ついにトップクラスのエンジンという評価を得た。
このように、レースというのは続けなければ意味がないのである。
それが世界的に認められているハイレベルな選手権であれば、どんなメーカーでも(エンジンに関しては世界一二を争うBMWとホンダですら)参戦初年度や復帰初年度からトップクラスの性能を持つことなどできはしないのである。
何が言いたいのか? F1である。
2000年、ホンダがF1に復帰した。エンジン単体で見れば、そのパワーはメルセデスやフェラーリに匹敵するものらしい。
これは無限がずっとF1で戦っていたデータを活用したからできたことで、それでも満足できる戦績は残せていない。
BMWはF1の裏の裏まで知り尽くしているゲルハルト・ベルガーを擁してその不利を跳ね返し、トップ2に食らいつく戦績を上げている。
このホンダとBMWの差は、そのまま「勝てなかったトヨタ」と「ル・マンで勝てたアウディ」の差に等しいと感じる。『現場の人』の差なのである。
振り返って2001年からの参戦を諦めたトヨタ。
『新たにV10エンジンを開発するには時間が必要』というのが理由らしいが、ここにも『人』の顔が見えない。ル・マンを見ているとわかるように、トヨタとニッサンは『自前の人材』にこだわるあまり『勝ち方』を知らないままレースを始め、目先の戦績が残せないからと撤退してしまう悪い癖がある。勝てそうな機械ができたときだけチョロッと出てきて、結局勝てないまま撤退してしまうから、海外の観客やオフィシャルからも尊敬されない。
CARTでやっと勝てたことだし、いいかげんそういうレースをやめませんか? トヨタさん。
会社が大変なのはわかるけど、この数年の『お休み』を取り返すのには10年以上かかるのを覚悟しておいて下さいね、ニッサンさん。
そういうことを書きたかった。
いいかげん、世界に通用する日本製レーシングカーはホンダだけ……という状況をどうにかして欲しい筆者でした。