キット以外に必要なもの
たとえ完成品であっても、R/Cカーにはキット以外に買いそろえなければならないものがたくさんあります。
キットを買う前に予算を配分しておかないと、せっかく買ったR/Cカーが走らせられないということもあり得ます。
このページのトップメニューを見れば何が必要かだいたいわかりますが、ここには初心者に好適と思える機種の実売価格帯を併せて一覧表にしておきます。
キット以外に必要なもの 参考価格一覧表 | *背景色がオレンジ色の項目は、キットまたは完成品に含まれている可能性があります。
*予算は1997年時点でのあるショップの広告から、初心者用に好適と思われる製品の中心となる価格帯を表示しました。
*『送受信機』『サーボ』『アンプ』は、『プロポセット』としても販売されています。
*『安定化電源』は、充電器の種類によっては必要ありません。 |
項目 | 予算 | | 項目 | 予算 |
一部の オプション | 合計0〜4000円 | | 送受信機 | 3000〜18000円 |
アンプ | 4000〜16000円 | | サーボ | 2000〜5000円 |
バッテリー | 1500〜4000円 | | 充電器 | 2000〜17000円 |
安定化電源 | 5000〜12000円 | | 放電器 | 1000〜7000円 |
モーター | 800〜1200円 | | 工具類 | 2000円〜 |
送・受信機
送信機には操作方法で大別して2種類あります。
| スティック型プロポ |
サンワ セイバー系/フタバ アタック系 等
|
2本のスティックでR/Cを操作します。昔はこの形しかありませんでした。
スロットルスティックを上に上げて前進、下に下げてバック又はブレーキに。ステアリングスティックは左右走らせたい方向へ操作します。 飛行機やヘリなどと同じ操作系なので、これらのR/Cを楽しんでいる人にはこちらの形がおすすめ。 |
| ホイラー型プロポ |
サンワ M系/フタバ メガテック系/JR ビート系 等 |
ハンドル(ホイラーと呼ぶ)とトリガーでR/Cカーを操作します。カーモデル用の形式(ボートにも使われる)。ハンドル型とも呼ぶ。
左手の人差し指でトリガーを引いて前進、逆に押してバック又はブレーキ。ステアリングホイルは右手全体で実車と同じように操作します。
はじめての人はこちらの方が操作に慣れやすいこともあって、近年ではほとんどのR/Cカーユーザーがこちらの形式を愛用しています。 |
これからR/Cカーをはじめる人には、「慣れやすい」という観点でホイラー型をお薦めします。
一緒に走らせに行く友人とかがいる方は、その人と同じ形のものを選ぶ、という方法もあります。
両者の操作はまったく違うため、ホイラー型で操作できると言ってもスティック型プロポを使えるとは限りません。
筆者の場合スティック型を愛用しており、ホイラー型では思うようにコントロールできません。
送信機のタイプとはまったく別に、使用する電波の種類で大きく3種類に分けることができます。こちらも一覧表にしてみました。
- AM方式:
廉価版のプロポに採用されている。
- FM方式:
中級から上級のプロポに採用。PPM方式/PCM方式など、対ノイズ対策も考えられている。
- 2.4GHz方式:
バンドを意識しなくていい最新の周波数帯。上級プロポが中心だが、今後廉価版プロポにも普及すると思われる。
従来のAM方式やFM方式のプロポでは、同時に走らせるために周波数を変えていました。「バンド」と呼ばれる周波数を決める番号が同じプロポは混信してしまうのです。
新しい2.4GHz帯を採用したプロポでは、送信機と受信機のペアを相互に記憶する機能があって、「バンド」という概念がなくなりました。
これからRCをはじめられる初心者の方には、2.4GHzの製品をおすすめします。2.4GHzであれば、近くでRCを走らせている人がいても混信を気にすることなく送信機のスイッチを入れられます。
初心者だけでなく全てのR/Cカー愛好者にメリットのある2.4GHzですが、予算などの都合であえてこの方式を選ばずAMやFM方式のプロポを選ぶ場合は、「バンド」に気をつける必要があります。バンドについては中古プロポを購入する際の注意点と一緒に
こちらを参考にして下さい。
上級プロポでは、コンピュータを内蔵した所謂「デジタルプロポ」「コンピュータプロポ」も存在します。
多数のモデルのトリム位置やステアリング量をメモリーできるモデルメモリー機能や左右別々に舵角を調整できる機能、走行中にマシンの挙動をクイックにしたりマイルドにしたりする機能もついており、非常に便利です。
予算に余裕のある方は、変にオプションパーツを買うよりもこちらに予算を回されるとお得だと思います。プロポはR/Cカー本体よりも長く使えるものだからです。
一部の電動カーのキットには機械式のスピードコントローラが付属しており、「2サーボのプロポで操作可能」と表記されているものもありますが、配線の手間やトラブル防止(アンプにはバッテリー切れや電波が届かなくなったときにR/Cカーが暴走するのを防止する回路が入っています)のために、アンプ式のスピードコントローラをお奨めします。
アンプの選ぶ方については、
こちらをご参照下さい。
電波はそれ自体公共のものです。不正使用は電波管理法等の法律で罰されることになります。電波の取り扱いにはくれぐれも注意して下さい。
スピードコントローラ
現在のほとんどの電動R/Cカーは、スピードコントローラとして「アンプ」と呼ばれる電子機器を使用しています。
アンプも国産・外国製入り交じって多数の製品が市場にあふれています。ここでは「初心者に扱いやすい」をテーマに、優先順位順に選択の基準をご紹介します。
- バック付きか否か:
現在発売されているアンプは、特に表記のない限りモーターを逆転させる機能がありません。つまりバックできないのです。
初心者の練習用としては、バックできた方が便利ですのでアンプを購入されるときは「バック付き」と表記されている製品を選びましょう。
一部のレースでは、レース中コースに復帰するためにバックするR/Cカーが起こす多重クラッシュを防止する目的で「バック付きアンプ禁止」がルールに明記されている場合があります。レース出場を考えている方はご注意下さい。
- 予算:
もちろん予算は重要なファクターです。いくらいい物が欲しいと言っても予算がなければどうにもなりません。
レースに出るのでなくモーターも540モーターしか使わないのであれば、とりあえずアンプは安いものでも大丈夫です。上の送受信機に予算を回した方がいいと思います。
- スペック表を見る:
「スペック表を見る」と言っても数字の大小を比べる程度のことで難しいことではありませんし、正直言ってこれは540より上のクラスのモーターを使う人か、レースに出場する人以外にはあまり意味はありません。
アンプのスペック表で注目すべき項目は「ON抵抗」と「最大電流」です。
ON抵抗とはアンプ内部の電気抵抗値で、単位はオーム又はマイクロオームが使われます。
これは「小さいほどいいアンプ」という程度に覚えておいて下さい。
最大電流は「容量」とも呼ばれる通り、アンプが流すことのできる電流の値で、単位はA(アンペア)が使われます。
この値が大きいほど、ハイパワーなモーターが使えると覚えておけばいいでしょう。
「最大電流」「ON抵抗」どちらの値も、その大小を比較するだけの目安程度の値だと考えて下さい。『アンプとサーボの性能表示に関する注意』の項にスペック表についてもう少し詳しい話を載せています。
- 半田ごて作業の苦手か?:
半田ごてを使う作業がどうも苦手だとおっしゃる方には、『JSTCレギュレーション対応』と表記されたアンプを購入されることをお勧めします。本体が同じ製品でも、JSTC非対応の物より少し高価になります
これらの製品はJSTCのレギュレーションによって、バッテリー側に7.2V標準コネクター、モーター側にギボシコネクターが取り付けられています。
ほとんどの市販モーターには最初からギボシコネクターが付属していますので、これならアンプに関しては配線の必要がありません。
- 自分の受信機と接続できるか?:
現在ではほとんど問題になることはないのですが、受信機と同一メーカー製以外のアンプを接続するためにはコネクターの交換が必要になることがあります。
レースでは外国製アンプの方がよく使われていますが、初心者の練習用としては国産プロポメーカー製のものでも充分以上の性能をもっています。コネクター交換の手間や、間違った時に故障してしまう可能性も考えれば、初心者用には送受信機と同一メーカー製のものの方が安全ではあります。
これらの条件を考えに入れてご自分のアンプをお選び下さい。
サーボ
サーボはR/Cカーのステアリングを動かす部品です。
「小さくて、軽くて、トルクが強くて、スピードが速くて、安い」製品があればいいのですが、そうもいきません。R/Cカーの種類によってどんなサーボが適しているかを、一覧表にしてみました。
種類 | トルク | 備考 |
ツーリングカー 4WDオフロード モンスタートラック | 5.0Kg/cm以上 | |
2WDオフロード | 3.5Kg/cm以上 | |
1/10F1 1/12レーサー | 2.0Kg/cm以上 | ミニサーボが必要 |
1/10レーシング (プロテン) | 2.5Kg/cm以上 | スピードがあって軽い物が適 |
この表は電動カーの各カテゴリーでどのくらいのトルクが必要かの、だいたいの目安です。マシン毎に条件が違いますので、注意して下さい。またエンジンカーの場合はさらに高トルクなサーボが必要になります。
上の表を見てわかるように、サーボは基本的にはトルクの値で選びます。マシンの重量やステアリングにかかってくる負荷によって、トルクのないサーボではステアリング操作への反応が極端に遅くなったりするからです。
同じトルク値なら、スピードのあるサーボの方がいいのは言うまでもありません。
実際に取り付けて、走行状態(バッテリーもボディも載せて、タイヤをつけた状態)で地面に置き、走らせないでステアリングだけを動か(実車で言う「据え切り」)してみた時に、サーボから「ジジジ……」という音が鳴り続ける(「サーボが鳴く」と言います)ようなら、そのR/Cカーにはもっとトルクのあるサーボが必要だということです。
一部のメーカーの高級サーボには
『ニッカド専用』の表記がありますが、これは「性能を生かすためには受信機側の電源をニッカドバッテリーから取る必要がある」という意味で、EPカーの場合(アンプを使っている限りは)気にせずに使用できます。
また最近では
『デジタルサーボ』と呼ばれる製品も市場に出回るようになりました。
これは、サーボの動作角度の制御をデジタル信号で行うことで、ドライバーの操作に対してより正確な動作をし、しかもクラッシュ等外から加わる力に対してサーボホーンが動きにくい(「保持力が高い」と言います)ように考えられたものです。
これらの高級サーボは、サーキットに行くようになってから購入を考えても遅くないと思います。
バッテリー
この項も、基本的にメンテナンスフリーが売り物の新しいバッテリー、LiPoとLiFeについては触れません。(LiPoの保管方法については後ろで触れます)あくまでもニッカドとニッケル水素に関する項目だと考えてお読み下さい。
『RCカーを選ぶ』の放電器の項で解説したとおり、RCカーの走行用バッテリーには放電は欠かせません。
ところがこの放電がやっかいで、放電させすぎてもいけないのです。
パックされている6個のセルには個体差があります。すべてのセルをめいっぱい放電しようとすると『転極』という現象が起こり、パックまるごとダメになってしまうのです。転極について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
また、ニッケル水素電池は、電気を完全にカラにしてしまうのはよくないと言われています。これらの状態をまとめて『過放電』とも呼びます。
個体差が少ないように組み合わされたマッチドバッテリーであっても転極や過放電は起こり得ます。
これらの現象を防ぐために、中クラス以上の放電器ではオートカット機能が付いているのです。
もう一つ気をつけなくてはいけないのが、特に「ニッケル水素電池は長期間放置するのはよくない」ということです。
高性能化・大容量化したニッケル水素電池は、高性能化の引き替えとして、ただ置いておくだけでどんどん放電してしまいます。これを自然放電と言います。
自然放電はとてもやっかいな問題で、こうしたバッテリーではRCカーを走らせるかどうかにかかわらず、2〜3週間ごとにバッテリーを充電するようにしないと、自然放電で過放電が起こってしまい、バッテリーが使えなくなってしまいます。
ですので、近年の高価なレース用ニッケル水素バッテリーの性能を長く維持するためのメンテナンスは下のようなことになっています。
・RCカーを走行させる。
バッテリーパックの電圧が6V程度になる。
・コネクタを抜いたバッテリーは一度放電し、それから満充
電までいったん充電し、放電器で容量の1/3程度を放電
してから持ち帰る。
・次回走行まで、3週間ごとに上の放電→充電→1/3放電
を繰り返す。
これはたいへん面倒くさいので、レース用に使用するような高価なバッテリーは初心者にお勧めできない理由の一つです。
安価なバッテリーほど性能が低いかわりにこうした面倒なメンテナンスの必要もなくなるわけです。
LiPoバッテリーとLiFeバッテリーに関しては、自然放電が非常に少ないと言われていますので、こうした扱いの面倒さはありません。
LiPoバッテリーの取り扱いに関しては、コラム
LiPoバッテリーの取り扱いについてをご覧下さい。
充電器
現在、大容量化する走行用バッテリーの充電のために、R/Cカー用に用意されている充電器のほとんどが『急速充電器』タイプになっています。
近年、この急速充電器に家庭用コンセント(交流100V・AC100V)から電源を取れるタイプが増えてきました。
当サイトでは、初心者にはこうしたAC100V/DC12V両対応型充電器をおすすめします。
このタイプの充電器ならば、下で解説している『安定化電源』は不要ですし、扱いも簡単です。
その他に充電器についてチェックしておいた方がよい項目をリストアップしておきます。
- オートカットがついているか?:
これは絶対に必要だと考えてください。タイマー式のオートカットではなく、実際のバッテリーの状態を検知してストップする『デルタピークオートカット』という表記のある充電器を強くお薦めします。
現在のR/Cカーの走行用バッテリーの充電には、短時間に多くの電気を流します。タイマー式のオートストップでは、万一十分に放電されていないバッテリーに充電したときに、爆発や出火する可能性があります。
- 何セルまで充電可能か?:
送信機用バッテリーとして充電式バッテリーを使用するなら、8セル以上に充電可能な充電器が必要になります。
送信機用バッテリーに乾電池を使用するなら、とりあえず低価格な6セルや7セルまで対応の充電器を買っておくのもいいでしょう。
- ニッケル水素対応/Li-po対応か?:
2007年現在、R/Cカー用として販売されている充電器のほとんどが『ニッケル水素対応』になっています。
しかし中古品を安く買う場合等、ごくまれにニッケル水素非対応の充電器が存在することも確かです。『ニッケル水素対応』の文字のない充電器では、ニッケル水素バッテリーは過充電してしまう可能性があります。
今すぐに買うバッテリーがニッカドばかりでも、充電器を長く使うつもりならニッケル水素対応充電器を買っておいた方がよいでしょう。
また、R/Cカー用としてはまあ市販され始めたばかりですが、LiPoなどと表示されるリチウムポリマーバッテリー(通称リポ)も、R/C用の電源として注目され始めています。これも『Lipo対応』の文字のない充電器では、発火したり爆発したりする可能性があるので注意が必要です。
Lipoバッテリー用充電器は、普及に従ってじょじょに低価格化することが考えられますから、いますぐに対応した充電器を買う必要はないでしょうが、『この充電器ではLipoは充電できない』ことだけはしっかりと覚えておく必要があります。
- 放電機能が付いているか?:
詳しくは放電器の項で解説しますが、ニッカドもニッケル水素も十分に放電せずに充電すると、使える容量が減ってしまいます。
このために放電器を使用するのですが、充電器に放電機能があれば別に購入することもなく、また走行のためR/Cカーを運ぶときにも荷物を減らすことができます。
ただし、充電用端子と放電用端子を別にもっている製品でないと、「放電している間は新しいバッテリーを充電できない」という問題も発生します。放電機能付きの充電器を選ぶ場合はこの点にはご注意を。
- 充電電流は何Aまでか?:
R/Cカーに使用するバッテリーは年々大容量になっています。初心者に好適と思われる安いバッテリーでも、近年は3600mAh以上というものも少なくありません。
こうした大容量バッテリーを充電するのに3A程度の電流しか流せないとなると、1パック充電するのに1時間以上かかってしまいます。初心者とはいえ、5A〜7A程度の充電電流が流せる充電器が必要な時代が来たと言えるでしょう。
これらは最初のオートカットの項目以外は、
絶対についていなければならないという機能ではありません。
ご自分が実際に使うときにどんな使い方をしたいか、また、どのくらい長くその充電器を使い続けるつもりか、などを考慮して、必要な機能を選び、充電器を選んでください。
また、充電器についてのもっと詳しい説明は、
高性能充電器についてをご覧下さい。
安定化電源
安定化電源は、直流12Vから電源をとるタイプの充電器を、家庭用コンセント(交流100V)で使用するために必要なものです。
上の『充電器』の項目で書いたように、AC100V/DC12V両対応の充電器を選ぶ場合は、安定化電源は買う必要はありません。
安定化電源を選ぶには、二つのチェックポイントがあります。
- 出力電圧:
これはR/C専門店でR/Cカー用として販売されているものはほとんど『12V』になっています。アマチュア無線用などで発売されている製品を選ぶ場合に注意してください。
- 最大電流:
容量とも言います。最大電流量が小さいと、充電器の性能を生かせない場合があります。
例えば充電器側が6Aで充電しようとしても、安定化電源に6Aを流す能力がなければできません。
実際には充電器自身が消費する電力も必要なため、6A充電時には7A近くの電流が必要になります。
安定化電源は容量不足を起こさない限りかなり長く使えます。筆者自身、容量14Aの安定化電源を10年近く使っていました。初心者の内は充電器だけが使えれば問題ないですが、将来的にはバッテリーやモーターの冷却ファンやタイヤウォーマーなどの電源としても使用できます。
最低でも10A以上のものを準備されることをお薦めします。
充電器の項で解説した『4ED』方式の充電器など、一部の高級充電器では安定化電源が発生するノイズが原因でトラブルが発生する可能性があります。
これについては各充電器のメーカーにお問い合わせ下さい。
放電器
電動R/Cカーの走行用バッテリーは、ニッカドもニッケル水素も中途半端に放電した上から充電すると「メモリー効果」と呼ばれる現象で充電できる容量が減ってしまい、走行時間が減ってしまいます。
これを防止するために使用するのが、放電器です。
「そんなの、タイヤを浮かせて空回しさせれば放電できるだろう」
というのは間違いです。540モーターで空回しさせて放電すると、今度は放電しすぎて『過放電』という状態になり、最悪の場合バッテリーが使えなくなってしまいます。
過放電については、メンテナンスページのバッテリーの項でもう少し詳しく解説しています。
バッテリーは使用後必ず放電器を使って放電しましょう。
放電器についてもう少し詳しく、市販されている放電器を大きく4種類に分けておきます。
種類 | おおよその価格 | 放電電流 | オートカット |
説明 |
1:放電用抵抗 | 1000円以下 | ?(1A前後) | なし |
その場しのぎ的なもので「つなぎっぱなし」による過放電の可能性も高く、初心者にもあまりおすすめできません。 |
2:低電流放電器 | 1000円〜8000円 | 1A〜5A | あり |
入門〜初級の方にはこのグループの製品がおすすめです。 上級製品には5Aであるていど放電した後1A放電に自動的に切り替えてバッテリーのコンディションを整えてくれるようなものもあります。 |
3:大電流放電器 | 5000円〜12000円 | 15A〜35A | あり |
さらに一歩進んでレースに参加するようになった中級以上の方におすすめです。2の低電流放電器と併用します。
バッテリーのメモリー効果抑制のためだけではなく、バッテリーの性能を維持するための放電器です。 |
4:バラセル用 単セル放電器 | 6000円以上 | ? | あり |
ニッカドバッテリーをパックではなく1セルずつ放電するためのものです。純粋にレース使用のみを考えればこの方法が理想ですが、通常使われているストレートパックでは使えませんのでここでは説明は省きます。 |
表の中にも書きましたが、『2』の低電流放電器を一つは購入リストの中に入れておいてください。
モーター
540モーターは多くのキットに標準でついてくるモーターです。
たしかに非力なモーターですが、初心者の練習用としては非常に優れた特徴を持っています。
まず、消費電力が少なくランタイムが長い(1700mAhくらいのバッテリーで10分近く走る)こと。これは、2〜3本のバッテリーで充分な練習時間がとれるという点で非常に助かります。バッテリー1本で4〜6分しか走れないモーターでは、バッテリーの本数を揃えなければならず、出費が馬鹿になりません。
そしてトルクの立ち上がりが穏やかで扱いやすいという点。
回転数が上がるにつれて爆発的にトルクが立ち上がるタイプのモーターだと、R/Cカーが急な挙動変化を起こしたりして扱いにくくなってしまいますが、540ではそんな心配はありません。
ストックモーターやモディファイドモーターをつければマシンは簡単に速くなります。
ですが、それをコントロールすることができずにクラッシュし修理のために多額の出費を重ねる……ということが初心者によくあるパターンであることも事実です。
まずR/Cカーをコントロールする技術を身につけてからハイパワーなモーターに交換しましょう。それがよりR/Cカーを楽しむ近道です。
特に、駐車場からサーキットにレベルアップするときには540モーターにしましょう。駐車場ではモディファイモーターでもうまく走らせられていても、コースの幅が限られ、さまざまなコーナーが存在し、他の走行車も多いサーキットではそうはいきません。驚くほどR/Cカーのコントロールが難しくなります。
ここを読んでいる初心者に適したモーターといえば、「540モーター」ですが、ストッククラスのモーターをつけたR/Cカーと一緒に走らせていても、あまりのスピード差に面白くありません。
そう言うときは、友達に頼んで540モーターに積み替えて貰うか、二人とも『スポーツチューン』や、近年各社から発売されるようになった27T〜30Tのモーターに換えてみると、走行場所がサーキットでなくてもレースに近い面白さを味わうことができます。
工具・塗料など
簡単な工具はキットに付属しているものもありますが、R/Cカーを組み立てるためにはやはりいくつか必要な工具がありますし、ボディを塗装するためには塗料も必要です。
また、絶対に必要というわけではないけれどもあった方が便利という道具類もありますので、まとめて紹介しておきます。
工具などは自宅にあれば新しく買う必要はないでしょう。
| 最低限必要な工具 |
キットに付属する工具以外に、絶対に必要になる工具・道具・ケミカル類です。
画像左上から、『ニッパー』です。樹脂部品を切り離すのに使用します。プラモデル用の小さいものでいいでしょう。
その下の左側はネジのゆるみ止めに使う『ネジ止め剤』です。電動カーではそれほど使用箇所は多くないですが、車種によってはゆるみやすい場所もあるので用意しておいた方がいいでしょう。
その隣の小さなチューブは『瞬間接着剤』。タイヤ接着用、またカーボンシャシーの補強のために低粘度のものを用意します。瞬間接着剤は使わないと劣化していきますので画像のような小さなチューブがいいでしょう
ニッパーの隣にあるのが『ラジオペンチ』という、先の細くなったペンチです。細かいけれども力の要る作業に使います。
その次はおなじみの『+ドライバー』。ほとんどのR/Cは『2号』という太さの+ドライバー1本で組み立てることができますが、たまに『0号』というより細いドライバーがいることがあります。
画像右端は『クリーナースプレー』です。これはタイヤ接着やメカ積みなどで使用しますし、走行後のボディやタイヤの汚れ落としにも使えます。
この他、アンプやモーターにハンダ付けが必要な場合は、ハンダこてとハンダ・ペーストも必要になります。 |
| あると便利な工具 |
画像上にあるのが『ノギス』です。タイロッドやダンパーなど、左右で長さをきっちり揃えたいときにあると便利です。
下段は左から、『ストレートリーマ』。サスペンションの穴を調整するのに使います。サスペンションの組み立てで使用しています。あとで紹介するピンバイスとドリル刃でも代用できます。
『3mmタップ』と『タップハンドル』は、ネジを締める時のコツで使用しています。
『ピンバイス』と『3mmのドリル刃』は、ストレートリーマの代用品として使うほか、ボディの下穴開け等にも使えて便利です。
次の『デフセッティングツール』はボールデフの組み立て方で使用していますが、ボールデフを使わない方には必要ありません。
次の『モリブデングリス』はダンパーの組み立ての項で使用しています。
一番右端のの黒い工具は『ボディリーマ』といって、ボディに穴を開ける工具です。ドリルでも代用できますが、こちらを使った方がきれいな穴を開けることができます。
これらの工具・道具・ケミカル類は、最初の二つを除いて絶対に必要というわけではありませんが、R/Cカーを組み立てるときにちょっと便利な工具たちです。 |
| ボディ塗装用の塗料 |
左の二つはビン入りの塗料です。細かな塗り分けや塗装の補修には便利ですが、初心者には右のスプレー式がお薦めです。
画像中央のタミヤのスプレーを買うときは、プラモデル用塗料と缶のデザインが似ていますので、フタのシールにポリカーボネート用と明記してあることを確認してください。
右端の東邦化研製のスプレーのクリアは、ボディ塗装に入る前に下地塗りとして使用すると塗装が剥がれにくくて非常にいいです。 |
| 塗装用品 |
マジックはマスキングテープを貼る目印にボディの表側から線を描くのに使います。ここでは赤色ですが、ボディに塗る色と違う色が使いやすいでしょう。 マスキングテープは太いのと細いのを用意すると便利です。 霧吹きにはごく薄い石けん水を入れてステッカーをきれいに貼るのに使います。 |