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R/Cカーをコントロールする要と言えば、受信機・サーボ・アンプ(スピードコントローラー)の3つをまとめて呼ぶいわゆる「メカ」と、モーターです。
ここでは、R/Cカー製作の上でも少々面倒な部類に入るこれらの搭載作業のコツやポイントを解説します。


受信機・サーボの搭載
  • 受信機の搭載:
  • 近年の高周波アンプはノイズ(電波雑音)を多く発生するといわれています。また、高速で回転するモーターもノイズの主要な発生源の一つです。
    したがって受信機は、モーターとアンプからなるべく離れた場所に設置するのがいいでしょう。
    シャシーのレイアウト上やむを得ずモーターやアンプに近い場所に付けざるを得ない場合は、メンテナンスコーナーのノイズ対策の項を参考に、あらかじめノイズ対策を行っておいた方がよいでしょう。
  • サーボの搭載:
  • サーボを搭載する前に、かならずやらなければならない『儀式』があります。
    サーボのニュートラル出しです。
    シャシーに搭載しない状態で構いませんから、受信機・受信機用電源(ない場合はアンプと走行用バッテリー・この場合アンプとモーターは配線しないでください)・サーボ(サーボホーンはまだつけないでください)を接続します。
    送信機の電源を入れ、続いて受信機の電源も入れます。
    送信機側からステアリングサーボが動くことを確認して、トリムを中心の位置に調整します。
    この状態で、サーボに説明書に記載された方向でサーボホーンを取り付けてください。
    サーボはメーカーからの出荷時や輸送中に動いてしまっている可能性があります。ニュートラル出しをしないでシャシーに搭載してしまうと、はじめて電源を入れたときにサーボが動き、トリムでは修正できなくなってしまう可能性があります。
    サーボはシャシーの説明書に所定の位置に取り付けましょう。極端に違う場所に取り付けると、ステアリング舵角が設計値から大きくずれてしまうことがあります。
    まれに、説明書通りの位置ではサーボマウントのネジ穴の位置が合わないことがありますが、この場合は駆動ベルトなどの可動部に干渉しないように注意して、サーボの片方の耳をサーボマウントで固定し、下面を両面テープでシャシーに貼り付けて固定してください。
    サーボには意外なほど大きな力がかかります。取り付けはしっかり行いましょう。


    モーター・アンプの搭載
    アンプと受信機はコネクターを繋ぐだけで接続できますが、アンプとモーター・バッテリーコネクターとは半田ごてを使って自分で配線しなければならない製品もあります。
    (自分で配線する必要のない製品についてはこちらで解説しています) これらの配線には大きく分けて2種類のパターンがあります。
    モーター側コネクターの+と−、アンプの出力側+と−。バッテリー側コネクターの+と−、アンプの入力側の+と−をそれぞれ1体1で配線する。比較的簡単に作業できる。 モーター側コネクターの−、アンプの出力側−。バッテリー側コネクターの−とアンプ入力側の−を1対1で、さらにアンプの+側とバッテリー・モーターの+側を1対2で接続する。作業に多少のコツが必要。
    上図ではモーター・アンプ間にコネクターをつけてあります。これはモーター交換や整備を手軽に行えるようにするためです。
    雑誌等に掲載されている上級者向けのシャシーではアンプ/モーター間は直結されていることが多いですが、これはレースに使うためですので、初心者の方はコネクターをつけておかれることをおすすめします。


    ハンダ付け作業のコツ
    ハンダ付け作業は、RCカーをやる上で避けて通れない作業ですが、これを苦手にしている人が多いようです。しかし、正しい道具を使い手順に沿って行えば難しい作業ではありません。
    作業に適したハンダごて
    ワット数作業項目
    15〜20W電子工作・電飾等
    30〜60Wアンプ〜モーター〜バッテリー間の結線。モーター端子にコンデンサ・ダイオードをつける。
    60〜100Wモーター缶にコンデンサ類をつける。
    60〜100W
    こて先の太いもの
    バッテリー(バラセル)にシャンテをつける。
    まずは右表にて、作業に適したハンダごてのワット数を確認してください。
    ハンダごてはワット数が大きいほどいろんな作業に使えますが、コンデンサやダイオードなどを扱うときはワット数が大きすぎると熱量が多すぎて電子部品を壊してしまう可能性があります。
    通常は、電子工作用の15〜20Wのもの一つと、アンプ〜モーター等の結線用に50W程度のもの一つがあれば事足りるでしょう。
    最近ではスイッチを押すことでワット数がかわる『ブースター付』ハンダごても発売されているので、これなら1本でほとんどの作業をカバーできます。
    次にこて以外の材料・道具類を紹介、続けて作業手順を解説します。
    こて以外の材料・道具類


    やにいりハンダ/プライマ/こて台
    これらは必需品です。特にこて台は、火災を防ぐ意味でもこて先をクリーニングするためにも必要です。



    便
    アルミクリップ/ベンチバイス/軍手
    これらの道具があるとハンダ作業が大変楽になります。軍手はこてを握らない方の手だけに使うので片方あれば十分です。
    作業手順
    ハンダ付けする部品の両方に、プライマをつけます。
    モーター缶の場合は、ヤスリで表面に傷を付けてからプライマをつけます。特にメッキや塗装されている場合、それらを剥がして金属の地肌が見えるようにします。
    ハンダ付けする部分にハンダメッキを行います。
    コード類の場合は中までハンダが染み込むので多めにつける必要があります。
    モーター缶や端子の場合、表面で球になっているようではダメです。(すぐに取れてしまいます)半球状、または富士山型になるように、じっくり熱を入れます。
    ハンダ付けする部品同士を押し当てて、ハンダ付けします。
    この段階ではこて先にハンダをつける必要はほとんどありません。前の工程でメッキしたハンダを溶かしてなじませるように熱を加えます。
    写真のようにペンチや小型のベンチバイス等で固定したり、アルミクリップで熱を逃がしたりすると楽に作業が行えます。
    特に電子部品をハンダ付けするときは、アルミクリップで熱を逃がしてやると部品の破損や劣化が防げます。


    ノイズキラーコンデンサ・キャパシタ・ショットキダイード
    RCカーを組み立てるときに、いくつかの電子部品をハンダ付けする必要があります。簡単に、それらの役割などを解説します。
    モーターが回転すると電気的・電波的なノイズが発生します。
    電気的ノイズは配線を通ってアンプに流れ込み、RCカーを操作するための電波に干渉してノーコン症状を引き起こします。
    これを防ぐためにモーターに接続されているのが、右画像のノイズキラーコンデンサです。
    米粒程度の大きさのコンデンサで、耐圧16V、0.1マイクロF程度のものを使用します。たいていはモーターに付属しています。 (540モーターはモーター内部にノイズキラーコンデンサをつないであります)
    このノイズキラーコンデンサは基本的にモーターに付属しています。もし最初からモーターに取り付けられていなければ、半田ごてを使用して自分でモーターに取り付ける必要があります。
    ノイズキラーコンデンサは、モーターの+−端子間・+端子とモーター缶・−端子とモーター缶の、合計3つ付けるのが一般的です。なおノイズキラーコンデンサには極性はありません。
    近年はモーターにごく小さなノイズキラーコンデンサと同等の役割をする部品が取り付けられているものがありますが、2002年3月現在、まだ十分な信頼性があるとは言えない状況です。『ノイズキラーコンデンサ不要』を謳っているモーターでも、万一のためにノイズキラーコンデンサを付けることをお薦めします。
    近年のハイパワーモーターは、発進時等大きな負荷がかかるときには瞬間的に40A以上の電流を流します。
    こんな時、バッテリーが流せる電流量のすべてがモーターに入ることになり、受信機が消費する電気が足りなくなってしまって、結果としてノーコンを引き起こすことがあります。
    これを防ぐためにアンプに取り付けられるのが、キャパシタです。
    キャパシタには耐圧16V、容量1000〜4000マイクロFの電解コンデンサを使用し、アンプとバッテリーを繋ぐ+線と−線にハンダ付けします。
    電解コンデンサには極性があります。間違って反対向きに付けると破裂することがありますので注意してください。
    このキャパシタが必要な場合はほとんどの場合アンプに付属しています。ただし取り付けは自分でハンダ付けするしかありません。
    前進のみの高周波アンプを使用する場合、ノイズキラーコンデンサーに追加してショットキダイオードを取り付ける必要があります。
    ショットキダイオードは、RCカーの世界では『ショッキーダイオード』と呼ぶことが多いですが、ここでは電子パーツ屋などでも通用する『ショットキダイオード』という言葉を使います。
    ショットキダイオードは、モーターの+−の端子の間に取り付けます。ショットキダイオードには極性がありますので、 バック付きアンプ使用時に接続したり、極性を間違えて取り付けると、ダイオードがブローして最悪の場合は破裂してしまいますので注意して下さい。
    現在のところ最初からショットキダイオードを取り付けて販売されているモーターはありません(バックで使えなくなるからです)。これはご自分で取り付けて下さい。ショットキダイオードは540モーターでも必要になります。
    ショットキダイオードは特に23Tストックなどターン数の多い割にハイパワーなモーターに使用するとごく短時間(5〜10パック程度が目安)に寿命が来てしまいます。寿命がつきたショットキダイオードを使用し続けるとRCカーの性能が下がるだけでなく、アンプの故障に繋がります。特に23Tストックモーター使用時は注意してください。 ショットキダイオードは基本的にアンプに付属していますが、上に書いたように消耗品でもあり、またモーター交換の際いちいち付け替えるのも面倒なので、RC専門店か電子パーツ専門店で購入してあらかじめ予備のモーターにも全部付けてしまった方が楽でしょう。