組み立ての終わったR/Cカーですが、いきなり外へ持って行って走らせるのは早計です。まず部屋の中できちんと動作するかチェックしてから走らせに行く準備をしましょう。
せっかく道具一式揃えて走行場所まで持って行って、結局走らせられないで帰ってくる。なんてことのないように……
ステアリング中立のチェック
R/Cカーで一番大切なのが「まっすぐ走ること」です。
「そんなの簡単だろ」と思われるかもしれませんが、実はこれが案外難しいのです。まっすぐ走らないR/Cカーをステアリングで修正するのはストレスがたまるし楽しくありません。
だからまず大事なのは「ステアリングを操作しないでもまっすぐ走るクルマ」を作ることで、その第一歩としてこのチェックを行います。
難しいことではありません。4つのタイヤがバランスのいい方向を向いているかどうか見るだけです。
専用の工具も売られていますが、とりあえず初心者レベルでは目で見るだけで十分です。人間の目は、案外正確ですから。
右画像の青い線が、R/Cカーの縦方向の中心線と平行です。
真上から見たとき、前輪の中心線は赤い線のように前が開いている場合があります。
これは異常ではなく、『トーアウト』といってセッティング手法の一つです。トー角について詳しくは
セッティングコーナーのアライメントの項で解説しています。
左右のトー角が左右で等しく設定されていないと、R/Cカーを直進させるのが大変難しくなります。(画像ではわかりやすくトーアウトを極端に大きくしています。実際はもう少し小さいです)
もう一つここでチェックしておかなければならないのは、サーボホーンの位置です。
ステアリングが中立の時にサーボホーンも中立でないと、ステアリングの左右で切れ角が違ってしまいます(右図参照のこと。下画像は実際のシャシーで見た状態です)。
これでは大変操縦しにくくなってしまいますので、注意しましょう。
ステアリング機構の構造によっては、中立時のサーボホーンの角度は必ずしもシャシーに対して直角でない場合もあります。これについては各シャシーの説明書を参照してください。
駆動系のチェック
特にツーリングカーの場合、複雑な四輪駆動のシステムが正常に働いていないと、非常に走らせにくいクルマになってしまいます。ボールデフを組んでいたり、センターかフロントにワンウェイを組んでいたりする場合はさらに注意が必要です。
ワンウェイとかボールデフとかに関わらず、通常リアタイヤにはデフギアが組み込まれているはずです。すべてに共通するチェック項目と言うことで、まずリアデフからチェックします。
スパーギアが回転しないように片手で押さえ、もう片方の手で右リアタイヤを前進方向に回転させると、左リアタイヤがバックする方向に回転するはずです。
もし左右のギアが同じ方向に回転したり、左のタイヤが回転しなかったりした場合は、駆動系のどこかがおかしくなっています。
フロントがワンウェイではなくデフギアの場合、同じチェックを前輪に対しても行ってください。
地上高のチェック
走らせる路面によりますが、パーキングロットでの走行となると、路面が荒れていてそれなりにサスペンションが動くと考えなければいけません。
あまり車高を下げていると、一パックでシャシー裏が傷だらけ……ということも考えられます。
ステアリング左右
ここからは電源を入れてのチェックになります。
まずバッテリーを充電してからこの先に進んでください。
R/Cカーのバッテリーは、販売時にはある程度充電されていますが、満充電ではないため電圧が下がっている場合があります。一度放電して、それから充電しなおすのがいいでしょう。
充電できたバッテリーをセットしたら、R/Cカーが暴走しないように右画像のようにシャシーの下に本などを置いてタイヤを浮かせてからチェックしてください。
バッテリーのコネクタをつないだら、受信機→送信機の順でスイッチを入れ、ステアリングホイール(又はスティック)を左右に動かして、R/Cカーの前輪が正しく左右に動くかをチェックします。
それだけでなく、左右の切れ角に大きな差がないかもチェックしてください。切れ角にあまり極端な差があると、左右でコーナリング特性の違うクルマになってしまいます。
モーター回転方向
前進側のスロットル動作チェックは、どんなアンプを積んでいても同じです。
急激なスロットル操作はR/Cカーのバランスが崩れて床に落ち、暴走してしまうかもしれませんので、必ずゆっくり操作するようにしましょう。
タイヤを浮かせた状態で送信機のスロットルを前進側に動かし、タイヤが前進方向に回転することを確認してください。
同時にアンプの説明書を参考に、LEDなどでフルスロットルに入っていることも確認しましょう。
バック側(ブレーキ側)のチェックは、アンプがバック付きかどうか、センターかフロントかにワンウェイが入っているかどうかで動作が変わってきますので注意してください。
いずれの場合も上の前進側のチェックが終わった後、タイヤの回転が止まってからこのチェックをしてください。タイヤが前進方向に回転している状態でいきなりバック方向に電流を流すと故障の原因になる場合がありますし、そうでなくともモーターを無駄に傷めることになります。
送信機のスロットルをバック側にゆっくりと操作します。
バック付きアンプの場合、タイヤがバック方向に回転します。
駆動系にワンウェイが入っている場合は、前輪は回転しないかもしれませんが、それで正常です。
バックなしアンプの場合は、アンプの説明書を参考に、LEDなどでブレーキが動作しているかどうか確認しましょう。いったん前進側にモーターを回転させてブレーキの動作を確認する方法もありますが、コミュテーターで大きな火花が散ってモーターを傷めることになりますので、避けた方が無難です。